2級小型船舶免許 意外と知られていない身近に取得できるライセンス

最終更新日 : 2017.11.14

クルーザーの所有に必須な免許の2級小型船舶免許をご存知ですか?

自動車の購入・所有・運転に免許が必要なようにクルーザーも同様に免許が必要です。

数種類ある船舶免許の中でも一番ポピュラーでフィッシングヤクルージングを楽しみたいと言う入門に最適なのが「2級小型船舶免許」です。

今回はこの2級小型船舶免許取得についてご紹介します。

船舶免許はどんな免許?

2級小型船舶
出典 : https://www.yamaha-motor.co.jp/

まずは船舶免許についてご説明します。

私たちが個人で所有できる船舶を動かすには船舶免許が必要になります。

自動車の免許に大型や中型、普通免許の区分があるように船舶免許にも以下のような区分があります。

  • 1級小型船舶免許
  • 2級小型船舶免許
  • 二級小型船舶操縦士(湖川限定)
  • 特殊小型船舶操縦士

それぞれ運転できる船の大きさ・場所・範囲に制限があり、自分の乗りたい船や航行する範囲で取得する免許を選びます。

そんな数ある船舶免許の中でもクルーザー所有の一番入門に相応しいのが2級小型船舶免許です。

この2級小型船舶免許がどのような免許なのか詳しく見てみましょう。

2級小型船舶免許について

2級小型船舶免許は総トン数20トン未満プレジャーボートは24m未満を操船可能で、満16歳以上から取得ができます。

但し16歳以上18歳未満の方が2級免許を取得した場合は18歳に達するまでは5トン限定の制限が付きますが18歳になると自動で解除されます。

2日~3日で取得が可能な免許なので仕事で忙しいと言う人でも休日を利用して簡単に取得ができます。

学科試験と実技試験がありますが、2級小型船舶免許取得の教室を開いている会場で申し込めば海やボートについての知識が全くない初心者でも取得ができます。

その手軽さと簡単さから2級小型船舶免許はプレジャーボートなどの入門に最適と言われているのです。

でも簡単と言っても実際にどのような試験内容なのか気になりますよね。

次は受験資格についてご紹介します。

受験資格について

年齢を満たしていてもある程度の身体検査に合格しなければいけません。

まず視力が左右共に0.5以上である必要があります。

一眼の視力が0.5未満の場合は、他眼の視力が0.5以上で視野が150度以上あることが第一の条件となります。

眼鏡やコンタクトレンズで矯正可能となっているので目が悪いと言う人は眼鏡を持っていきましょう。

夜間において船舶の灯火の色が識別できる弁色力も必要となります。

重度の色覚異常出ない限りは心配ありません。

そして最後は聴力です。

5mの距離で話声語の弁別ができることが条件ですが、補聴器を使っても大丈夫なので最近耳が聞こえにくくなってきたという人は補聴器を使いましょう。

次は試験内容についてご紹介します。

2級小型船舶免許の試験内容

先程も少しご紹介したように2級小型船舶免許の試験は学科試験と実技試験の2試験があります。

学科試験はマークシート式で、50問出題されますが50問中33問正解で合格となります。

全部で三科目ありますが、この詳しい内容については次で詳しくご説明します。

実技試験は小型船舶の取り扱い方から基本的な操縦技術、応用操縦の試験を行います。

実際にボートに乗って操船するので実技講習をちゃんと受けましょう。

次は各試験の詳しい内容についてご紹介します。

学科試験

学科試験
出典 : https://www.yamaha-motor.co.jp/

学科試験で対象となるのは以下の3科目です。

  1. 操縦者の心得及び遵守事項
  2. 交通の方法
  3. 運航(一般)

「操縦者の心得及び遵守事項」は小型船舶の船長として必要な基本的なルールやマナーを学びます。

この科目は試験では12問出題されます。

「交通の方法」では海上で他の船と衝突しないための「海上衝突予防法」や「海上交通安全法」、「港則法」といった海上で適用される法律について学びます。

道路交通法と同じようなものと考えて頂ければ大丈夫です。

この科目からは14問出題されます。

最後の科目「運航」は船を安全に目的地まで航行させる方法を学びます。

操船の基本はもちろん船のメンテナスや取り扱い方、万が一の事故でも自分で出来る対処法や気象・海象についてなど操船するうえで重要な知識です。

試験ではこの科目から24問出題されますのでしっかりと理解を深めましょう。

実技試験

実技試験
出典 : https://www.jmra.or.jp/

実際に操船する実技試験はハードルが高いと思われがちですが、そんなことはありません。

国家試験対策をしている教室では実際に国家試験で使うのと同じボートを用意して本番さながらの内容となっている教室がほとんどです。

実技内容も発航前の船体点検・エンジン点検・法定備品点検に始まり、エンジン始動・停止など基本的なことばかりです。

さらに実際に操船すると言っても発進・停船・旋回など練習が必要な技術というわけではありません。

身構えるのではなく楽しみつつ学べば実技試験でも結果を残せるでしょう。

ボート免許教室について

ここまでで2級小型船舶免許について大分理解が深まったと思います。

でも実際に免許を取得したいけどどうすれば?と疑問に思いますよね。

そこでボート免許教室の出番です。

全国各地のマリーナなどにあるボート免許教室では学科試験と実技試験の対策講習だけでなく、国家試験受験もセットになったコースがあります。

費用は約9万円~約12万円となっていて、最短1日で2級小型船舶免許が取得できます。

よりイメージが湧きやすいように全国各地でボート教室を開いている「ヤマハボート教室」を参考にどのような日程なのかより詳しく見ていきましょう。

ヤマハボート教室の日程

ヤマハボート教室では全部で以下の5つのコースがあります。

  • 2級レギュラーコース:所要日数3日
  • 2級実技試験免除コース:所要日数2日~2日半
  • 2級スマ免コース:所要日数2日
  • 2級スマ免1日コース:所要日数1日
  • 2級スマ免+実技試験免除コース:所要日数2日

一番の定番はレギュラーコースで、学科講習・実技講習・国家試験それぞれ1日の合計3日間で免許を取得するコースです。

実技試験免除コースは実技試験が免除になり登録教習後に修了試験を行うものです。

「スマ免」と書いてあるものは学科講習をパソコン・タブレットなどのオンラインで受講するコースで、時間のない人向けのコースとなっています。

学科に自信のない方は教官から直接教えてもらえてわからない所を質問出来る定番コースがオススメです。

自分の予定などに合わせて柔軟に選ぶことができるので非常にオススメとなっています。

今回はヤマハボート教室を参考にご紹介しましたが、全国各地にボート教室はありますのでご自身の一番通いやすい場所などを探してみてください。

ボート教室・国家試験で準備するもの

何事も準備が必要なものです。

もちろん国家試験である小型船舶免許でも用意するものが多数ありますのでご説明します。

  • 登録小型船舶教習所受講申込書:1通
  • 小型船舶操縦士身体検査証明書:1通(病院・クリニックで発行可能)
  • 住民票(本籍地記載のもの):1通
  • 写真4枚(縦4.5㎝x横3.5㎝)

免許写真
出典 : http://jeis-west.jp/

登録小型船舶教習所受講申込書はボート教室によって書類の内容が少し変わるので、自分の通う予定の教室で必要かどうか調べましょう。

小型船舶操縦士身体検査証明書は病院やクリニックに記入をお願いすれば簡単な検査の後に発行してもらえます。

写真は証明写真として使われるサイズで、6ヶ月以内撮影したもので正面上半身・無帽・無背景が条件となります。

公的な証明としても使用できるものなのでしっかりと規定の通りの写真を用意してください。

また、ボート教室受講時に持参するものは主に印鑑・筆記用具だけです。

場所によっては今日終了の領収書などが必要になりますので詳しくは自分の通う教室の指示に従ってください。

国家試験だからとあまり難しく考えずに、気軽に受けることをオススメします。

まとめ

いかがでしたか?

今回は2級小型船舶免許の取得方法についてご紹介しました。

船舶免許は国家試験ですが、最短1日で取れる簡単な試験です。

2級小型船舶免許はクルーザー所有の入門的なものです。

1級小型船舶免許に比べると非常に簡単なのでぜひ挑戦してみてください。