みなさんはセーリングヨットと言えば船体が一つのものを想像しますよね。
双胴船と呼ばれるカタマランヨットで船体が二つ繋がっているものもありますが、実は船体が3つ繋がっているトライマランヨットと呼ばれるものもあります。
世界でも造船している会社は少なく、主にレース用として使われています。
そんなトライマランヨットですが、一般向けに造船しているのがNEEL社です。
今回はNEEL社のトライマランについてご紹介します。
出典 : http://newimages.yachtworld.com/
NEEL社とは?
「Fountaine-Pajot」というラロシェルで1976年に設立されたヨットビルダーの子会社として2012年に誕生しました。
Fountaine-Pajotはカタマランヨットを造船しており、セーヌ川での運行など公共交通機関でも使われていました。
そのためNEEL社の工場はFountaine-Pajotと同様にフランスのラロシェルという場所にあります。
NEEL社は創立してまだ日が浅いですが、トライマランという次世代のモデルとも呼べるヨットを造船して世界各国のセーリングヨットファンから注目を集めています。
ですが、トライマランヨットとはあまり聞き馴染みのないヨットで、どんなものかわからないと言う人もいますよね。
次はトライマランがどのようなヨットなのか解説していきます。
トライマランヨット
出典 : https://jp.kahalaresort.com/
トライマランヨットは3つの船体を甲板で繋ぎ、固定しています。
その元となったのは今から約4000年前のポリネシア人が建造したヨットです。
ポリネシア人が使用していたヨットは通常の船の両サイドに浮きとなる木材を取り付けたものでした。
その船が抜群の安定性で、その形状を参考に2つの船体を繋いだカタマランヨットが登場します。
1945年にビクター・チチェットという人物がトライマランヨットの設計を始めます。
1950年~1960年にかけて試作品が造られましたが、当時の材料や技術では重すぎて実用へは至りませんでした。
しかし現在でも船の主流素材として利用されているガラス繊維が登場したことでトライマランヨットの品質も飛躍的に向上します。
カタマランヨットの技術はフェリーや軍艦に利用されていきます。
2005年には127メートルの高速トリマランフェリーが造られたのはヨーロッパでは有名な話です。
そんなトライマランヨットはカタマランヨット以上の安定性・積載量で今セレブの間でとても人気です。
次はNEEL社のトライマランヨットがどういった外装・内装をしているのが見ていきましょう。
NEEL社のトライマランヨット エクステリア
NEEL社のトライマランヨットは浮島のような存在感で、数あるセーリングヨットの中でもひときわ目立ちます。
3つの船体をつなぐことで抜群の安定性を確保するだけでなく居住スペースも広く取っています。
まさに海上の別荘と呼ぶにふさわしいその大きさは日本での所有は難しい大きさです。
もちろんセーリングヨットとしての性能もあるので、セールで風を受けて前へ進みます。
ホワイトで染め上げられたボディ・セールは高級セーリングヨットのエレガントさを兼ね備え、眺めていても楽しい外観をしています。
NEEL社が販売している3モデルを参考により詳しく見ていきましょう。
NEEL 65
出典 : http://www.neel-trimarans.com/
全長65フィート・全幅39,50フィートのNEEL社最大のトライマランヨットです。
両サイドの船体後方部には水上バイクが収納可能で、見た目以上に積載量があります。
開放的なアッパーデッキには撥水仕様のソファが設置されているので、燦々と輝く太陽の光と爽やかな海風を独占できます。
マスト・セールのついているセーリングヨットなので自然の風のみで航行が可能。
これほど幅があるにもかかわらず抵抗は少なく、航行速度も一般的なクルーザーに劣ってはいません。
戦車のようなゴツい見た目ですが、魅力溢れるトライマランヨットです。
NEEL 51
出典 : http://www.neel-trimarans.com/modele_bateau/neel-51/
全長51フィート・全幅29,18フィートで、NEEL社が販売しているモデルの中では中間の大きさに当たります。
ホワイトで統一されたボディ・セールは太陽光で光り輝き、青い海とのコントラストが何とも言えない美しさになります。
デッキはウッド調の床で、遠目から見ても気の質感がぬくもりを与えてくれます。
エレガントで上品なトライマランヨットで、迫力はあるけれどどこか御淑やかな印象です。
NEEL 45
出典 : http://www.neel-trimarans.com/
全長44フィート・全幅28フィートと、一番小さなモデルですが小ささを感じさせない堂々とした風格があります。
空気抵抗を減らすように低く構えられた見た目をしています。
船首部分には落下防止のネットが張られていて、ちょっとした遊び場として使うことも出来ます。
船尾には海へのアクセスが簡単なデッキがあるので、船を停泊させてマリンアクティビティを楽しめます。
他のモデルと比べたら少し小ささは感じますが、同じサイズのセーリングヨットと比較すればトライマランヨットの大きさは十分にわかるかと思います。
NEEL社のトライマランヨット インテリア
ラグジュアリーで洗練された内装は幅が広く船体が3つあるトライマランヨットだからこそ実現出来ました。
トライマランヨットの船内に足を踏み入れればその広さに驚くこと間違いなしです。
ホテルがそのまま移築されたかのようなデザインで、ヨットの長所も最大限に活用しています。
キャビンには開放感あふれる窓を設置し、その窓からの景色が楽しめるようにベッドが配置されています。
NEEL社のトライマランでクルーズへ出掛ければ日々の喧騒を忘れ、心の底からリフレッシュ出来るでしょう。
そんな遊び心あふれるNEEL社のトライマランの内装を見ていきましょう。
NEEL 65
出典 : http://www.neel-trimarans.com/
キッチン・ダイニング・コックピットが一体となったメインサロンはトライマランヨットならではの幅の広さを生かしたものです。
白と黒のツートンカラーで統一された内装は洗練された都会的な印象で、非日常感を存分に味わえます。
全ての機能が一つの空間にあるのにまったく圧迫感がないのは全面に張られた窓があるからです。
自然光を取り込み、美しい景色が楽しめるので船内に居ながらでもクルージングの楽しさを十分満喫できます。
注目して頂きたいのが全部で5部屋あるキャビンです。
落ち着いた色使いで仕上げられたキャビンは大きな窓からの景色をベッドの上から楽しめる造りとなっています。
自然の美しさを眺めながら極上の休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
出典 : http://www.neel-trimarans.com/
NEEL 51
出典 : http://www.neel-trimarans.com/
外の景色も存分に楽しめる開放的なメインサロンは大きなキッチンスペースが特徴的です。
メープル色のフローリングにホワイトやグレーなどの暗すぎない色合いを合わせ、清潔感溢れる空間となっています。
原色系の小物を合わせることで何気ないインテリアを更に引き立たせています。
キャビンもクリーム色を使うことで、明るすぎず暗すぎずリラックスするのに丁度いい空間になっています。
大きな窓からの景色を楽しめるベッドはトライマランヨットならではですね。
オーシャンビューホテルに泊まっているかのような感動をぜひ味わってみてください。
出典 : http://www.neel-trimarans.com/
NEEL 45
出典 : http://www.neel-trimarans.com/
3つの船体がメインサロンで繋がっているこのモデルは、入ってすぐにキッチンがあります。
キッチンをまっすぐ抜ければダイニングスペース、左右へ抜ければキャビンがあります。
まるで秘密基地のような設計は遊び心をくすぐられます。
デスクやカウンターソファのあるリビングルームですが、なんと中央船体の船首にあるキャビンへアクセスする場所でもあるのです。
このようにトライマランヨットだからこその設計・デザインとなっています。
キャビンも他のモデルと同様にベッドの上から外の景色を楽しめるようになっています。
マンガやアニメに登場する近代的な秘密基地のような雰囲気のトライマランヨットとなっています。
出典 : http://www.neel-trimarans.com/
NEEL社のトライマランヨットを購入するには
NEEL社のトライマランヨットを購入したいけどどうすれば!と思いますよね。
トライマランヨットを購入するにはいくつか難点があります。
価格は公表されておらず不明ですがこれほどのヨットはおそらく1億円前後ではないでしょうか。
予算をクリアしても困るのは保管場所です。
幅が広すぎてマリーナで保管ができるか問題となります。
トライマランヨットによっては折り畳み式もありますが、NEEL社のトライマランヨットは折り畳みが出来ません。
最大の難点が日本に正規ディーラーがないのです。
自分で直接交渉するか輸入販売業者へ委託するしかありません。
NEEL社へのお問い合わせは「こちら」からどうぞ。
まとめ
いかがでしたか?
今回はNEEL社のトライマランヨットをご紹介しました。
船体が3つ繋がった形状で、カタマランヨットよりも広いスペースなのが特徴的でしたね。
船内もラグジュアリーな内装でそれぞれの個性が感じられる素晴らしい空間でした。
小さなモデルは限りある空間とトライマランヨットならではの性質を生かした設計で、遊び心溢れるモデルです。
機会があればトライマランヨットを楽しんでみてください。