世界で最も過酷だと言われているヨットレースをご存知ですか?
約30艇がフランスのヴァンデを出港し、マストで受ける風だけを動力にして世界を一周するというレースです。
この世界一過酷なヨットレースに日本人の「白石康次郎」さんがアジア人初出場を果たしました。
今回はこの世界一過酷なヨットレース「ヴァンデ・グローブ Vendée Globe 」について徹底解説していきます。
世界で開催されているヨットレース
もちろんヴァンデ・グローブレース以外にも世界各地で開催されているヨットレースは多数あります。
日本で有名なヨットレースと言えば「タモリカップ」ではないでしょうか。
海を愛するタレントである「タモリさん」が名誉会長を務めるレースで、年々参加者が増えているヨットレースです。
世界で開催されているヨットレースは有名なものだと「アメリカズカップ」でしょう。
優勝カップを争う大会では近代オリンピックよりも歴史が古く、世界最古のスポーツトロフィーとして知られています。
一対一で競われるレースで、時速100キロにも達するレースは海のF1と呼ばれています。
海面との摩擦を極限まで減らした結果、「フォイリング」と呼ばれる浮遊現象を生み出し海上でも高速での航行が可能となりました。
3~5年に1度のアメリカズカップですが、日本代表も大会へ出場しています。
また、そのアメリカズカップの前哨戦である「ルイ・ヴィトン アメリカズカップ」も有名なヨットレースのひとつです。
別名ルイ・ヴィトン・アクトとも呼ばれており、あのファッショブランドとして名高いルイ・ヴィトンが冠スポンサーを務める大会です。
元は3~5年に一度しか開かれないアメリカズカップは間隔が空きすぎてチームのモチベーション維持や認知度が下がるからという理由で開かれた大会です。
アメリカズカップと同じ迫力あるレースが見れるので、数々のヨットレースファンが足を運んでいます。
2016年には福岡でアジア圏初のアメリカズカップの前哨戦が開かれ業界を騒がせました。
そして今回のメインである「ヴァンデ・グローブ」です。
ヴァンデ・グローブがどういったものなのかご説明します。
ヴァンデ・グローブの概要
出典 : https://www.vendeeglobe.org/
風だけを原動力に80日~120日もの長い間一度も寄港せずに南半球を一周するというレースで、競技時間は約2千時間と言われています。
睡眠時間も1時間~2時間の仮眠程度で、一度も船を止めることなくゴールを目指して走り続けます。
大会で使用するヨットは全長約18mでマストの高さは約30mの大きなヨットで通常は10人ほどで操船しますが、全てを一人で行います。
そのため運にも左右されやすく、不慮の事故で亡くなってしまう挑戦者もいました。
第1回大会は1989年~1990年に開かれ、その後は3年おきに大会が開催されて2017年の大会で第8回を迎えました。
歴代優勝者は全てフランス人で、圧倒的な強さを誇っています。
第1回大会の優勝者の記録タイムは109日8時間47分55秒、第8回大会は74日3時間35分46秒 (大会記録)と年を重ねるごとにタイムが縮んでいます。
それでも74日、約2か月半ほどもずっとレースに参加するわけですから過酷であることに変わりはありません。
ヴァンデ・グローブでは以下のチャックポイントを通って世界一周を目指します。
- 南アフリカ共和国西ケープ州ケープタウン:喜望峰
- インド洋に浮かぶ無人島:ハード島
- オーストラリア西南:ルーイン岬
- 南アメリカ最南端:ホーン岬
各チェックポイントに寄港するという意味ではなく、このチェックポイントの近くを通れば大丈夫です。
ヴァンデ・グローブレースのコースについて詳しくご説明します。
ヴァンデ・グローブレースのコース
出典 : https://upload.wikimedia.org/
まず、スタートとゴールは一緒で、フランスのヴァンデ県のレ・サーブルドロンヌという場所です。
このレ・サーブルドロンヌを大西洋へ飛び出して南下し、第一チェックポイントの喜望峰を回ります。
その後は南極大陸とオーストラリア大陸の間にある南氷洋を東に進み、第二チェックポイントのハード島へと向かいます。
そのまままっすぐ東へ向かい、南極大陸とオーストラリア大陸を抜けると南アメリカ大陸が見えてきます。
最後のチェックポイントであるホーン岬を回り、北上するとゴールのヴァンデ県レ・サーブルドロンヌへと寄港します。
各選手がどういったコースで回ったかを記録しているので、ヴァンデ・グローブの公式サイトから詳しい様子が確認できます。
「こちら」から直接確認できるので、ぜひご覧になってみてください。
ヴァンデ・グローブに出場するには
では、どうすればヴァンデ・グローブレースに出場できるのでしょうか。
まず必要なのはボートです。
全長60フィートで、マストが付いたヨットを購入し、長時間の航行に耐えられるように整備しなければいけません。
また、保存食の手配など問題は山積みです。
日本での認知度が低く、スポンサーなどが少ないのが現状です。
日本代表の白石康次郎さんは資金の節約のために整備や調整を自ら行っています。
海外のトップチームではしっかりとしたチームで大会に臨み、完走はもちろん優勝を争っています。
ヴァンデ・グローブレースに出場するには大会側が認めた経歴や経験がなければ参加はできません。
日本人が初めてヴァンデ・グローブレースに出場出来たことは偉業と呼んでも良いでしょう。
次は白石康次郎さんについてご紹介します。
日本人初出場を果たした白石康次郎さん
出典 : http://bulkhead.jp/
白石康次郎さんは1967年5月8日、東京生まれ、鎌倉育ちの49歳(ヴァンデ・グローブ出場当時)です。
1993年には単独無寄港世界一周を当時最年少で成し遂げます。
2006年に5オーシャンズ出場、08年には〈GITANA13〉にクルーで乗艇し、サンフランシスコ?横浜世界最速横断記録を更新します。
今回出場するヴァンデ・グローブレースで4回目の世界一周の挑戦となります。
気になる結果ですが、残念ながら途中棄権となってしまいました。
一時は全29艇中12位でしたが、スタートしてから約1か月後にアフリカ・ケープタウン沖でマストが折れてしまいリタイアとなります。
残念な結果ですが、出場できるだけでも名誉なことです。
次のレースも是非出場を目指してもらいたいですね。
また、日本のヴァンデグローブに対する環境がもっと整っていけばいいなと思います。
ヴァンデ・グローブレースに初出場を果たした愛艇
白石康次郎さんの愛艇である「SPIRIT OF YUKOH」は横須賀市浦賀にある「シティマリーナヴェラシス」というマリーナで保管されています。
シティマリーナヴェラシスで開催されるイベントなどで見学することができるので、興味のある方はぜひ一度足を運んでみてください。
白石さんが自ら解説をしてくれるなど、他では体験できないようなイベントです。
残念ながら不定期開催ですが、白石康次郎さんのFace Bookから最新情報が得られるのでぜひフォローしてください。
シティマリーナヴェラシス以外でもイベントを開催していますので、もしお住いの地域から近い場所でイベントが開催されるようでしたら参加してみましょう!
名称 | 白石康次郎オフィシャルサイト |
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公式サイト | http://www.kojiro.jp/ |
名称 | 白石康次郎後援会 |
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公式サイト | http://kojiro.club/ |
名称 | 白石康次郎Face Book |
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公式サイト | https://www.facebook.com/kojiro.shiraishi.jp11/ |
名称 | シティーマリーナヴェラシス |
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公式サイト | http://www.velasis.com/ |
まとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介したヴァンデ・グローブレースは日本ではまだ知名度が低いヨットレースですが、世界的に有名なヨットレースの一つです。
知名度が低いながらも日本人が出場しているので、もっと注目をしてほしいですね。
2か月以上一度も寄港せずに行うレースはトラブルが付き物です。
別の大会ではクジラに衝突した船もあったほどです。
ネットからでもヴァンデ・グローブレースの様子は見れますので、ぜひ一度ご覧ください。